『なぜあの会社は儲かるのか』②

posted by 2013.07.9

金融業界の常識を不動産業界へ ~ スター・マイカ

 
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 スター・マイカは、いわゆる「分譲賃貸」のマンションを専門に扱う不動産業者です。
社長の水永氏は、金融業界では常識である「裁定取引」「大数の法則」を、不動産業界に持ち込んで成功しました。 

 水永氏は、賃借人が付いているマンション(1棟じゃなくて1戸)は、空き室に比べて平均25%安いことに気が付きました。
つまり、賃借人付き物件を安く買い、その後に賃借人が退去すれば自動的に25%の利ザヤが見込めます。
これは同一商品の価格差を利用した「裁定取引」といえます。 

 しかし、借地借家法で守られている賃借人を追い出すのは困難です。
となると、退去してくれるのを待つしかないのですが、いつ退去するかなんて誰にも分かりません。
そこで役立つのが「大数の法則」です。
保有するマンションの数が増えれば、いつ退去するか、だいたいの傾向を掴むことが出来ます
スター・マイカは1000戸ほど保有していますが、毎年3割から4割が退去するそうです。 

 こうして、退去すれば売却して儲け、退去しなければ家賃収入で儲ける、という安心・安全なビジネスモデルが出来上がりました。実際、スター・マイカは家賃収入だけで販管費を賄うことが出来ているそうです。