中古耐用年数 ③使えない場合

posted by 2018.02.27

job_syokuhin_yubisashi_kosyou

 中古耐用年数3回目はイレギュラーな3つのパターンについて見ていきます。

 

① 購入後手をいれた場合

 中古で買うので、買ってから部品を変えたり、改良を施したりすることがあります。
その場合の支出金額は修繕費ではなく、資本的支出として購入額に上乗せします。
資本的支出の金額が再取得価額(今、同じものを新品で買う場合の金額)の50%を超える場合は、中古ではなく法定耐用年数で償却します。

 ちょっと分かりにくい表現ですが、新品の半値以上のお金をかけて手をいれた中古資産は、ほぼ新品なので新品の耐用年数しか使えない、ということになります。

 この規定とは別で簡便法による見積もりができない資本的支出もあります。
中古で買った金額の50%以上の資本的支出をした場合には、簡便法が使えないので合理的に見積もることになります。
簡便法は経過年数から自動的に計算するため、手直しで使用可能期間が延びる場合は趣旨と合わないという考え方です。

 

② 法人成りした場合

 個人事業を会社にすることを”法人成り”と言いますが、この場合は中古耐用年数を使えます(法人の経費は増えます)。

 同じ人がそのまま事業を続けているだけに見えますが、個人と法人格が別人格なので中古で取得したことになります。
この場合、個人から会社が買ったことを明確にする契約書や議事録を作成しておきます。

 

③ 相続があった場合

 ②の法人成りと似ていますが、相続で引き継いだ資産については中古耐用年数を使うことができません。

 ちょっと違いますが相続や贈与で引き継いだ財産を売却した場合には、当初の取得価額、耐用年数、経過年数、簿価のすべてを引き継ぎます。
これは相続等の時点では何も起こっておらず従前の情報を単純に引き継いだと考えるためです。

 償却についても同じように考えて耐用年数を引き継ぐので中古耐用年数を使うことはできません。

考えてみるとただ続きを使っているだけで、お金を出して買ったわけではないので”中古資産の購入”とならないのは当然とも言えます。

②と③は似ていますが取扱いが違うので注意しましょう。