軽減税率は誰のため?

posted by 2015.07.10

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 消費税の軽減税率の効果はどれぐらいあるのでしょう?

 政府から生鮮品を8%の軽減税率にした場合の負担軽減額が公表されています。
低所得世帯20%が受ける効果は年間2,325円、一方、高所得世帯20%が受ける効果は年間4,938円です。
高所得世帯の方が多くメリットを受けることになります。

 

 別の低所得者対策として『給付付き税額控除』も検討されています。
所得に合わせて取り過ぎた消費税分を給付又は減額するもので制度設計も容易で簡潔です
しかし支援が必要な人に確実に給付するためには所得や貯蓄の正確な把握が必要です。
そこで威力を発揮するのがマイナンバー制度
社会保障と税金関係からその利用が始まりますが、今後は銀行口座にも利用することになっています。
実施されれば世帯所得や貯蓄の把握も可能となり、より給付付き税額控除を実現しやすい環境になるハズです。
諸外国では、マイナンバーを使った給付付き税額控除の仕組みをワーキングプア対策や子育て支援の対策など様々な政策に利用しています。

 

 軽減税率は減税なので聞かれれば【賛成】と答える人が多いかも知れません。
ただ他の制度と比較しながら本当に低所得者対策として有効なのはどちらか、行政コストが小さく混乱が少ないのはどちらかという観点で議論が進むことが期待されます。