税制改正大綱 ③法人税率の引き下げ

posted by 2015.01.8

 3日目は法人課税の前編として法人税引き下げと課税ベースの拡大を中心に見ていきます。

 

1.法人税率引き下げ

① 概要

法人税率が25.5%から23.9%へ引き下げられ、地方税も合わせた実効税率では2.51%の引き下げとなります。
事業税は段階的に下がるため、翌年には3.29%の引き下げになります。

② 期間

平成27年4月1日以後開始事業年度から

③ 中小法人(資本金1億円以下)

中小法人の軽減税率(800万円以下15%)は変更なしで2年延長

 

2.欠損金の繰越控除の縮小

① 概要

欠損金の繰越控除の消化は現状、大企業に限り利益の80%が限度とされていますが、段階的に65%、50%と縮小されていきます。
これにより赤字を消化中の法人の税負担が増えます。

② 期間

平成27年4月1日~平成29年3月31日開始事業年度:65%
平成29年4月1日以後開始事業年度:50%

③ 中小法人(資本金1億円以下)

従来から100%消化できており、変更はありません

④ 繰越期間の延長

消化のスピードが落ちることから損失を繰り越せる期間も9年から10年に延長されています。

 

 長くなるので続きは明日。
2の欠損金も明日紹介するものもそうですが、法人税引き下げと引き換えに分母を広げる改正です。
トータルで見ると法人税引き下げによる減税が6700億円、課税ベースの拡大が4600億円で差引2100億円の減税となっています。