前回までは寄附金の所得税での控除でしたが、内容が異なる住民税での取扱いについて確認します。
住民税には所得控除はなく、税額控除のみあります
<種類>
(1) 住所地の都道府県共同募金会・日本赤十字社支部に対する寄附金
(2) 都道府県・市区町村が条例で指定する寄附金
(3) ふるさと納税
<計算方法>
① 原則
・(寄附金〈※1〉-2000円)×10%〈※2〉
※1:総所得金額等の30%が限度
※2:都道府県4%+市区町村6%
(1)と(3)の控除率は常に10%ですが、(2)は自治体がどの寄附先を条例で指定しているかによって片方だけになることがあります。
指定内容については各自治体のホームページで確認する必要があります。
② ふるさと納税
ふるさと納税は2000円を引いた全額が税金から控除されますが、所得税と住民税での控除を合わせると100%になる仕組みになっています。
A.ワンストップ特例
寄附金控除は確定申告することが原則ですが、ふるさと納税で5か所までなら確定申告を省略できる特例があります。
特例が使える条件は次の通りです。
・給与所得者や年金受給者で元々確定申告義務がない
・その年の寄附先が5自治体以内
・寄附するごとに申請書を自治体に郵送
特例を使うと、住民税を計算する際に各自治体が連携して税額控除を計算して住民税に反映してくれます。
B.A以外
(寄附金-2000円)×(90%-所得税率)
所得税分は「所得控除×所得税率」で控除を受けているので残りを住民税から控除します。
式が100%ではなく、90%になっているのは、① 原則の計算で10%控除できているためです。
なお、①の計算に「総所得金額等×30%」という限度があることがふるさと納税の限度額を決めるカギになっています。