社内販売と自家消費

posted by 2021.05.7

makanai

 従業員に商品を値引き販売することがありますが、これは税務上どう扱われるのでしょうか。

 値引き販売により得する部分は経済的利益として給与課税されますが、次の要件を満たせば課税されません。

・販売額が原価以上で、かつ定価の70%以上
・地位や勤続年数で条件に極端な差をつけないこと
・数量が転売目的ではなく、一般使用の範囲であること

 例えば10万円の商品を5万円で販売した場合、70%を下回る2万円ではなく、5万円まるまるが給与課税されることになります。
なお、消費税については通常どおり販売額に対してかかります。

 

 では飲食業における”まかない”はどう取り扱われるのでしょうか。

 まかないについては、従業員、役員、個人事業主によって取扱いが変わります。

 従業員や役員については原則的には現物給与として課税されますが、次の要件を満たせば課税されず福利厚生費として経費になります。

・本人が半額以上を負担
・経済的利益(食事の価額-負担額)が税抜月3500円以下であること

 食事の価額は購入したものについては購入額、自社で調理するものについては直接原価で計算します。
役員の場合は毎月定期同額であることも経費算入の要件になります。

 個人事業主の場合は原則として定価が売上げになりますが、原価以上かつ定価の70%以上の金額を売上げにすることもできます。

 なお消費税についてはお金を受け取っていないにも関わらず譲渡とみなされ、原則として定価が課税売上げになりますが、原価以上かつ定価の50%以上の金額を課税売上げとすることもできます。
この場合、所得税に比べると20%分低い金額にすることが可能です。

 

 社内販売にしろ、まかないにしろ、あまり意識せずにしていることも多いですが、税務調査では指摘されるポイントであるため注意しましょう。