マンション売却の税金 ③ 資料不足

posted by 2026.02.20

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 前回の続きでマンションを売却した場合の税金について見ていきます。

 売り値と買い値の差額が売却益になるわけですが、買った時の書類が見当たらない場合はどうすればいいのでしょうか。

 

3.資料不足

① 原則

・売り値の5%

 譲渡所得については購入額が分からない場合は、売り値の5%を取得価額とすることができます。
この制度の趣旨は先祖代々の土地であるとか、戦後すぐに購入したとか、相当古い土地建物である場合、貨幣価値も違うことから5%程度だろうというところから来ています。

 逆に言うと95%が利益になってしまうため、税金は大きくなります。
最近買ったものやバブル時期に買ったものなどはどう考えても5%ではないはずなので、資料がないばかりに多額の譲渡税を払うことになってしまいます。

 なお、大昔に買っていて購入額が分かる場合も売り値の5%の方が大きければ5%を使うこともできます。

 

② ヒントを探す

 売買契約書がなくても、残っている資料から何らかの金額が分かればそれを使うことができます。
例えば最終契約前の見積書、メモ、チラシ、担保設定された借入金額などです。
借入金額については、不動産の登記簿謄本を見れば分かりますが、頭金を除いた借入金額部分しか分からないので少ない可能性もあります。

 

③ 統計を使う

<建物>

 建物については税務署から「建物の標準的な建築価額表」が公表されています。
この表には、木造やRCなど構造別の標準的な建築費が載っています。
昭和34年から令和5年までの1㎡あたりの建築費に、建物の面積を掛けて取得価額を計算します。
ここから耐用年数に応じた減価償却費を控除して売却直前の簿価を導き出します。減価償却費の計算方法は1回目に解説した内容と同じです。

<土地>

 土地については「市街地価格指数」を用いて計算することができます。
この指数は、一般財団法人日本不動産研究所が公表しているもので、年度ごと地域ごとの相場を金額ではなく、比率で出しています。
例えば売った時の指数が100で、買った時の指数が50なら、売り値の半分が取得価額ということになります。

 ただし、この方法を使うことが”合理的”であることが前提なので、どう考えても事実とかけ離れていると推定される場合や、最近買ったものではっきり契約書が残っている場合には否認されるリスクもあります。
使う場合は税理士に相談することをお勧めします。