税制改正大綱16回目は所得税の小ネタです。
1.事業用買い換えの縮小
① 概要
事業用の土地建物等を売却して、一定期間内に買い換えた場合には利益の8割を繰り延べる買い換え特例があります。
令和8年3月31日が期限でしたが、要件を絞った上で3年間延長されます。
② 長期所有の土地建物等の買い換え
最もよく使われるのが10年超所有していた土地建物等から、一定の土地建物等へ買い換える制度です。
以前は土地についてのみ特定施設※の敷地の用の供するものに限定されていましたが、改正により建物、建物附属設備、構築物も特定施設の事業遂行上必要なものに限定されます。
※特定施設
〇 事務所、工場、営業所、店舗、倉庫、住宅等
✖ 社宅、寮、保養所、食堂等の福利厚生施設
2.一億円の壁
① 概要
所得が1億円を超えると税負担率が減る”1億円の壁”の問題を税制するため、分離課税も含めた所得が一定金額を超えた場合に追加的な所得税が課されます。この基準が令和9年分から引き下げられます。
② 改正案
・改正前:(各種所得の合計-3.3億円) × 22.5%
・改正後:(各種所得の合計-1.65億円) × 30%
従来は3.3億円まで追加の税負担がありませんでしたが、この基準が1.65億円まで下がり、税率も引き上げられます。
3.ふるさと納税(住民税)の上限設定
① 概要
ふるさと納税の限度は所得が増えると青天井で増えてきましたが、給与収入1億円相当が上限となります。
② 改正案
・改正前:住民税所得割 × 20%(住民税の特例分)
・改正後:193万円(住民税の特例分)
単身者で給与が1億円の場合、所得税の控除と合わせると寄付の限度は約438万円になります。
次回は最終回、「検討事項」です。


