相続税の計算の仕組み

posted by 2016.01.5

相続税の計算は、相続人を確定させ、相続財産を評価し確定させる等、一つ一つ順を追って行ったうえで計算の材料が揃います。

税額の計算を、例を使って説明していきます。

(例)亡くなったAさんには妻・子供2人おり、財産や債務、葬式費用、遺産分割協議により

相続した財産は下記のとおりです。

相続税の計算の仕組み

 

①純資産額の計算

 被相続人の財産から債務・葬式費用を差し引いて、純資産額を算出します。

純資産額=財産-債務-葬式費用

1億4,800万円=1億8,000万円-3,000万円-200万円

純資産額の計算 

 

 ②課税遺産総額の計算

 ①の課税価格の合計額から基礎控除額を差し引いて、課税遺産総額を算出します。

課税遺産総額=純資産額-基礎控除額

1億円=1億8,000万円-4,800万円

 課税遺産総額の計算 

 

③相続税の総額の計算

 相続税の総額は、まず②の課税遺産総額を法定相続分で相続したと仮定します。

 

(法定相続分)

相続税の総額の計算

 

 この各法定相続人の取得分を、下記の相続税の税率表に当てはめて相続税の総額を算出します。

<相続税の税率表>        
各法定相続人の取得金額 税率 控除額    
~1,000万円以下 10%    
1,000万円超~3,000万円以下 15% 50万円 子B、子C  
3,000万円超~5,000万円以下 20% 200万円  
5,000万円超~1億円以下 30% 700万円    
1億円超~2億円以下 40% 1,700万円    
2億円超~3億円以下 45% 2,700万円    
3億円超~6億円以下 50% 4,200万円    
6億円超~ 55% 7,200万円    

  

5,000万円×20%-200万円= 8,000,000円
子B 2,500万円×15%-   50万円= 3,250,000円
子C 2,500万円×15%-   50万円= 3,250,000円
     相続税の総額   14,500,000円

 

④各人ごとの相続税額の計算

 実際に相続した金額(妻=7,400万円、子B=7,400万円、子C=0円)から按分割合を算出します。

7,400万円/1億4,800万円 =50%
子B 7,400万円/1億4,800万円 =50%
子C 0円/1億8,000万円 =0%

 ③の相続税の総額に按分割合をかけて、各人ごとの相続税額を算出します。

 14,500,000円 ×50% 7,250,000円
子B 14,500,000円 ×50% 7,250,000円
子C   ×  0% 0円
        14,500,000円

 

⑤各人の納付税額の計算

 ④の各人ごとの相続税額から税額控除額を差し引いて、各人の納付税額を算出します。

    相続税額
今回の取得分は、50%であるため、配偶者の税額軽減の適用を受けます。7,250,000円の全額が控除され、税額は0円となります。 0円
子B 100円未満の端数は切捨て、税額は変わらず7,250,000円です。 7,250,000円
子C 財産をもらっていないため、税額は0です。 0円
合 計 7,250,000円