税制改正大綱⑩ 地方税の組換え

posted by 2016.01.14

 法人事業税法人住民税については増税や減税というより「成長」「偏在是正」を目的に組換えが行なわれています。
「成長」は平たく言うと”黒字会社は軽く、赤字会社は重く”
「偏在是正」は平たく言うと”大都市から巻き上げて地方へ”という方向です。

 

(1) 事業税の外形標準課税

<概 要>
付加価値割 0.72%⇒1.2%(人件費・家賃・利息・利益など企業が産み出した付加価値への課税)
資本割 0.3%⇒0.5%(資本金への課税)
所得割 6.0%⇒3.6%など(儲けへの課税)

<影 響>
赤字企業は付加価値割と資本割のアップで増税
黒字企業は所得割のダウンで減税
・H28.4.1以後開始事業年度より

 

(2) 地方法人特別税の増税

<概 要>
・実体は事業税の一部。事業税の半分を国が徴収して地方へ配分する仕組み。
資本金1億円超の法人 93.5%⇒414.2%
・H28.4.1以後開始事業年度より
・税率差が大きいため負担軽減措置あり

 

(3) 地方法人税の増税

<概 要>
・実体は法人住民税の一部。法人住民税の一部を国が徴収して地方へ配分する仕組み。
地方法人税 4.4%⇒10.3%
 法人県民税 3.2%⇒1.0%(法人税割の標準税率)
 法人市民税 9.7%⇒6.0%(法人税割の標準税率)
・H29.4.1以後開始事業年度より

 

 名前が似ていてややこしいですが「成長」と「偏在是正」を目的とした地方税の組換えが行なわれています。