下がった下がったと言われる法人税ですが本当に下がっているのか検証してみます。
<大企業及び中小法人で所得年800万円超>
① H24.4.1以後開始 25.5%(現行・最終はH28.2月決算)
② H27.4.1以後開始 23.9%(現行・先頭はH28.3月決算)
③ H28.4.1以後開始 23.4%(改正・先頭はH29.3月決算)
④ H30.4.1以後開始 23.2%(改正・先頭はH31.3月決算)
<中小法人で所得年800万円以下>
① H24.4.1以後開始 15.0%で改正後も変わらず
※中小法人
・資本金1億円以下
・大法人(資本金5億円以上)の100%子会社は資本金1億円以下でも除外
中小法人で所得800万円以下の部分は実は下がっていません。
15%なんだからもう十分低いでしょう、ということなんでしょう。
では地方税も含めた実効税率ではどうなるでしょう。
<実効税率・大企業>
① H24.4.1以後開始 34.61%(現行・最終はH28.2月決算)
② H27.4.1以後開始 32.11%(現行・先頭はH28.3月決算)
③ H28.4.1以後開始 29.97%(改正・先頭はH29.3月決算)
④ H30.4.1以後開始 29.74%(改正・先頭はH31.3月決算)
<実効税率・中小法人で所得年800万円超>
① H24.4.1以後開始 36.05%(現行・最終はH28.2月決算)
② H27.4.1以後開始 34.33%(現行・先頭はH28.3月決算)
<実効税率・中小法人で所得年800万円以下>
① H24.4.1以後開始 23.16%(現行・最終はH28.2月決算)
② H27.4.1以後開始 23.20%(現行・先頭はH28.3月決算)
これだけ見ると所得800万円以下はともかく800万円超では中小法人の方が大企業より高くなっています。
そんなアホな!と言いたいところですが実際はそうはなりません。
この税率はあくまで所得に対して掛ける率であるため、所得と関係しない事業税の外形標準課税が含まれていません。
事業税の外形標準課税は資本金1億円超でかかるため、法人税率はその分抑えられています。