人間ドック費用の取扱い

posted by 2015.12.28

 

 最近、人間ドックのサービスが豊富になってきており、高額な人間ドックや脳ドックなど、昔に比べるとメニューも多様化しています。
人間ドックの費用の取り扱いについては、負担者が個人法人か、また法人でも受診者が従業員役員かで変わってきます。

 

《個人の場合》

人間ドックや健康診断の費用は、疾病の治療を行うものではないので、原則として医療費控除の対象とはなりません

しかし、健康診断等の結果重大な疾病が発見され、引き続きその疾病の治療を行った場合には、その健康診断等のための費用も治療行為の一環と判断し、医療費控除の対象になります。

なお個人事業主が自分の人間ドック費用を全額経費にするのは難しいでしょう。
人間ドックは従業員に対する福利厚生費という理屈で経費になるので、個人の場合は上記の医療費控除の中で対応することになります。

 

《法人の場合》

人間ドックや健康診断の費用を福利厚生費とするためには要件があります。

全社員を健康診断の対象とすること(40歳以上など年齢で区切るのはOK)
② 健診を受けた社員全員分の費用を会社が負担すること
③ 社員の健康管理上必要とされる程度の常識の範囲内であること

役員のみが高額で専門的な検査を受診し、会社がこの費用を負担する場合は、給与(役員賞与)として取り扱われる場合がありますので注意が必要です。

どこからが”常識の範囲内”でどこからが高額かは判定が難しいところです。
高額な脳ドック費用も昔に比べると受ける方が増えており、常識の範囲内と言えるかも知れません。
費用の目安(①~③の要件を満たす前提)としては5万円までは問題ないとして10万円となると必要性も考慮して判断することになります。