遺留分減殺請求と相続税申告

posted by 2015.10.1

 遺言があってもその通りにならないケースもあります。
その1つが遺留分減殺請求
遺言に書かれた内容が最低限の取り分である遺留分を下回っていれば、他の人から取り返す手続きを取ることができます

 遺留分減殺請求は交渉ごとなので時間がかかります。
そうこうしている間に相続税の申告期限である10ヶ月が来てしまったらどうなるのでしょうか。

A 交渉中で決まってないから未分割で申告

B 遺言通りで一旦申告する

 

 答えはBの「遺言通りで一旦申告」です。
遺言がある場合には亡くなった時点で遺産が分割されたと考え、遺言の内容通りで申告・納税します。

 その後交渉や調停などで内容が変わった場合は修正申告更正の請求をすることができます。
「できます」というのは相続税のトータルが変わらなければ修正申告や更正の請求の必要はなく当事者間で精算すれば事足ります。
税務署としてはトータルの税額が変わらなければ誰から払ってもらっても結構、という考え方です。
税額が変わるケースとして配偶者の税額軽減小規模宅地の評価減など税法上の特典が変動することが考えられます。

 なお修正申告や更正の請求の期限は遺留分減殺請求の内容が確定した日の翌日から4ケ月以内です。納付も同じ日です。
意外に日がありませんので納付も含めて早めに準備を進めましょう。