支払調書がまた増えます

posted by 2015.07.17

 マイナンバーや国外財産調書だけでなく資産課税強化はまだ続きます。

従来あった「財産及び債務の明細書」が来年から「財産債務調書」に衣替えします。
従来の「財産及び債務の明細書」に関しては5月頃まで問い合わせがあったと思いますが平成26年分までで終了
平成27年分からは「財産債務調書」に変わり、来年の確定申告時期に提出することになります。
もちろん変わるのは名前だけではありません。

 

<提出要件>

従来:年間所得2000万円超
今後:年間所得2000万円超かつ保有資産3億円超または有価証券1億円以上

従来は収入(フロー)だけが基準でした。
今後は収入だけでなく資産(ストック)も要件に入ります。
ただし「かつ」なので収入も資産も両方ある人のみが提出となり従来より基準は緩くなっています。
そのうちシレッと「かつ」が「または」に変わっている気もしますが…。

保有資産3億円というのは相続税の課税実績から算定された金額で、有価証券の1億円というのは出国税と対応を取っているようです。

 

<罰則強化>

従来:提出義務はあるが罰則はなし
今後:申告もれがあった場合は過少申告加算税を5%上乗せ

過少申告加算税は内容に応じて10%または15%であるため、これに5%上乗せされると15%または20%となります。
「申告もれがあった場合」ということは所得税や相続税の調査などで指摘があった場合に調書を再チェックして書いてたかどうかという見方をします。
したがって提出してすぐに漏れを指摘され、罰金を取られるというわけではありません。

 

 あまり何でもかんでも情報を出したくないという方が多いので、今後は記載内容や罰則との兼ね合いで書き方を検討していくことになりそうです。