遺言を作ってほしい

posted by 2015.07.13

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 これは浅田会計からのお願いではなく、政府からのお願いです。
というのも、相続税法の改正で「遺言控除」というものが検討されているようです。

 平成29年から導入される予定で詳細はまだ分かりませんが、法的に有効な遺言書を作っておくと、相続財産から数百万円が控除されることになりそうです。
仮に控除額が300万円だとすると、税金が30万円~165万円安くなります

 政府としては、遺言を普及させて遺産相続に関する争いを減らし、若い世代へのスムーズな財産の移転を促したいようです。
教育資金贈与の特例などと一緒で、「高齢者の財産を若い世代へ」という流れの中で思いついたんでしょうか。

 でも相続税の基礎控除が下がったとはいえ、相続税が課されるのは亡くなった人のうちの10%以下です。90%超の人にとっては、そもそも相続税なんて払う必要がありません。
「遺言しとけば相続税が安くなりますよ」と言っても効果は薄いかも知れません。

 そうはいっても、「遺言」というのは紛争を未然に防ぐための有力なツールです。
遺言を書くのは親にとっては抵抗感がありできるだけ先延ばししたい、子どもにとっては言い出しにくいという面があります。
遺言控除がきっかけ作りの一つになるかも知れませんので導入が期待されます。

 裁判所へ持ち込まれる相続紛争の件数は、この10年で2倍に増えています。
政府の方針に乗っかる訳ではありませんが、浅田会計からも「遺言書を作ってほしい」とお願いしておきます。