土地家屋調査士の方がよく言われているので業界の公式標語なのかも知れません。
意味するところは「境界確定はちゃんとしておきましょう、そうしないと後悔することになりますよ」と言ったところでしょうか。
報道によると大都市での境界を明確にした地図の整備状況が著しく低いようです。
東京19%、大阪12%、名古屋21%、最低の横浜市に至ってはたったの6%!
では境界が確定できていないとどんなデメリットがあるのでしょう。
相続の視点で見ていきます。
・売却や物納が難しくなる
売買する場合、境界があいまいな土地を買う人は通常いないでしょう。
土地そのもので税金を払う物納の場合は境界が確定していないと国は受け取りません。
相続が起こってから…では時間的に厳しいです。
申告期限は10ヶ月後ですが、近隣との交渉や測量の時間を考えると生前の時間がある時にしておくべきでしょう。
・正しく評価できない
そもそもどこまでが自分の土地か分からないと正しく評価できません。
登記簿謄本の面積と実際の面積が違ってもどこがどう違うのかも判断できず、場合によっては税金を払い過ぎることもあります。
・先延ばしするほど境界確定は難しい
相続で代が変わるとこれまでの経緯が分からず、合意が難しくなります。
一方では「昔こんなことがあったのに」、もう一方では「それはそれとして今は真ん中が境界」というようなことが起こります。
・費用が余計にかかる
境界でトラブルになってしまうと多額の裁判費用や弁護士費用がかかります。
トラブルになる前に落ち着いて境界確定をしておくことで予定外の費用を防ぐことができます。
また生前に測量費用を払っておくことはいるものを先に払っておくという点で相続対策になります。
今すぐは困らないので先延ばししがちな境界確定。
相続税の心配をする時に一緒に考えてみて下さい。