資本金と資本金等

posted by 2015.02.18

 税金の世界では「等」というのはなかなか曲者です。
日常の「等」の使い方は「~ほか」ぐらいの意味合いですが、税金の世界ではまったく違う意味になり、払う税金も大きく変わることがあります。

代表的なものが「資本金の額」「資本金等の額」

 資本金の額…資本金

 資本金等の額…資本金+資本積立金額

 資本積立金額は話せば長くなりますが、株主が出資した金額のうち資本金に含めなかった部分と考えてもらえば結構です。

 

 資本金の額は主に中小企業と大企業の境界線として使われます。
資本金1億円を境に外形標準課税の適用や法人税率が上がるので税負担と手間が大幅に増えます。

そこで出資額が1億円を超える場合でも全額を資本金とせず、半分を資本積立金に振って税負担の軽減を図ることがあります。

 ただしその場合も「資本金等の額」は変わりません。
資本金等の額は住民税の均等割に影響します。
大阪府大阪市であれば赤字でも払う均等割が20.5万円から42万円に上がります

 

 では資本金の額資本金等の額のどちらを重視すべきなんでしょうか。

均等割が上がるのも痛いですが、外形標準課税の適用や中小企業のメリットが失われる方がより影響が大きいので、資本金の額を1億円以下に抑える方を優先した方がいいでしょう。