以前 「絵がいくらまで経費になるか」、また「改正案への意見募集(パブコメ)」についてご紹介しましたが、その内容が確定しました。
<どう変わる?>
(現状)
① 書画骨とうは原則、減価償却資産にならない。
② 歴史的価値又は希少価値を有し,代替性のないものは,書画骨とうに該当
③ 美術年鑑等に載っているものは価値が高いので償却しない。
④ 1点20万円未満、絵画なら1号あたり2万円未満であれば償却できる。
(改正)
① 明らかに価値の減少しないものをのぞいて償却する。
② 変わらず
③ 廃止
④ 1点100万円未満であれば償却できる(耐用年数8年)。絵画の号あたりの基準は廃止。
<適用時期>
法人は平成27年1月1日以後開始事業年度から、個人は平成27年分以後からその有する美術品等について適用されます。
「有する美術品」ということは新しく買うものだけでなく前から持っているものも経費化できることになります。
<償却資産税>
経費になるのが20万円未満から100万円未満になるだけかと思いきや、実は「原則、減価償却資産に該当する」のが大きな変更点です。
従来は、絵画等は償却しないものとして対象外でしたが、改正後は減価償却資産として償却資産税の対象となります。
償却資産税とは固定資産税の一種で1/1時点の理論上の簿価に1.4%の税率でかかります。
考え方が変わると連動して他の税金の扱いも変わってくるところが、税金の難しいところでもあり、おもしろいところでもあります。