年末調整リターンズ⑦ 人の控除

posted by 2014.12.4

 すでに説明した配偶者控除、扶養控除のほかに人に関する控除として次のようなものがあります。

 

① 障害者控除 (一般27万円、特別40万円)

本人やその控除対象配偶者、扶養親族で、身体障害者手帳の交付を受けている方や一定の機関から知的障害者と判定された方が該当します。
あまり知られていませんが、市区町村等の要介護認定されている方も対象となる場合がありますので、ご注意ください。

 

② 寡婦控除 (27万円)

 本人が次のいずれかに該当する場合に対象となります。

扶養親族がいる人で、夫と死別又は離婚した後、婚姻していない場合
所得が500万円以下(給与収入だけなら688万円以下)で、夫と死別した後、婚姻していない場合

つまり、離婚の場合は扶養親族が居ないと所得が500万円以下でも対象にはなりません。

 

③ 寡夫控除 (27万円)

本人に扶養親族がいて、かつ、所得が500万円以下で、妻と死別又は離婚した後、婚姻していない場合に対象となります。
つまり、寡婦(女性)と比べて寡夫(男性)は、両方に該当しないといけないので条件が厳しくなっています。

 

④ 勤労学生 (27万円)

本人が大学生や専修学校生などで、所得が65万円以下(給与収入130万円以下)の場合に対象となります。
若かりし頃バイトしていたときにはこんなこと全く知りませんでした。

 

⑤ 配偶者特別控除 (3~38万円)

控除対象配偶者は所得38万円以下(給与収入103万円以下)でしたが、この「配偶者控除」のラインを超えてしまっても、段階的に控除をしていきましょうという制度です。
配偶者が給与収入だけなら141万円未満であればいくらかの控除があることになります。
ただし、配偶者特別控除は本人の所得が1000万円超(給与収入1231万円超)である場合は控除を受けることができません

 

 上記の中では② 寡婦控除が少し複雑です。
寡婦のうち、扶養親族である子(16歳未満もOK)がいて、かつ、所得が500万円以下であれば『特別の寡婦』に該当し、一般の寡婦より控除が大きくなります(35万円)
これは女性だけの制度で男性にはありませんのでご注意下さい。

 次回は最終回、住宅ローン控除を解説します。