相続時精算課税制度の改正

posted by 2014.10.21

 平成27年から相続税が増税になりますが、減税になる項目もあります。
その一つが「相続時精算課税制度」範囲が拡大されて少し使いやすくなります

<どんな制度?>

65歳以上の親から20歳以上の子へ贈与をした場合、通算で2500万円まで贈与税が課税されない制度。
2500万円を超える部分には一律20%の贈与税がかかります。

<精算って?>

贈与した人が亡くなった時には、遺産にこの制度で贈与された財産を足し戻して相続税を計算します。
すでに払った贈与税の方が多ければ還付され、不足があれば追加額を払って”精算”します。

<メリット>

相続税がかからない大半の人にとっては早めに財産をもらうことができて、有効活用できます
相続税がかからない人は後で足し戻して精算しても相続税は0のままです。

また生前に確実に名義変更できる、収益を生む財産を贈与すれば所得税対策にもなる、値上がり益の獲得などのメリットがあります。

<デメリット>

精算課税制度は一旦選ぶと撤回はできないため、毎年の暦年贈与(110万円まで)が使えなくなります

また値下がりした場合にも贈与時の価額で評価される、不動産の諸費用が贈与の方が大幅に高いなどのデメリットもあります。

<どう変わる?>

対象者が拡大します。
・贈与者:65歳以上の父母60歳以上の父母または祖父母
・受贈者:20歳以上の子孫もOK

 

今まで年齢がネックで使えなかったケースもあるので多少使いやすくなります。
高齢者層に偏った金融財産の移転が制度の目的の一つですが、金額の拡大、手続きの簡素化など今後のさらなる改善にも期待したいところです。