類似業種比準価額を下げる方法

posted by 2014.08.29

昨日の続きで「類似業種比準価額」の活用方法を見ていきます。

相続税や贈与税を減らすためのポイントは3つ。

①景気の悪い時がチャンス
②類似のブレンド比率を上げる
③見た目の利益を下げる

 

順に見ていきます。

① 景気の悪い時がチャンス

類似業種比準価額は業種ごとの上場企業の平均株価を使う評価方法です。
世の中の景気が悪い、その業種が全体的に業績が悪い、という場合は平均が下がるので自社の株価も下がります。
逆に景気回復局面では株価が上がるので今は全体的に上がっています。
ここ1,2年で倍に上がった業種もあります。
相続はともかく贈与は株を動かす場合はタイミングが重要です。

 

② 類似のブレンド比率を上げる

会社の規模によって類似業種の影響を受ける度合いが変わります。
一般的に類似は純資産より安くなるので類似を多く使う方が株価は下がる傾向にあります。

<大会社>
類似✕100%

<中会社>
中の大:類似✕90%+純資産✕10%
中の中:類似✕75%+純資産✕25%
中の小:類似✕60%+純資産✕40%

<小会社>
類似✕50%+純資産✕50%

大中小どの区分に入るかは、業種、従業員数、売上、総資産によって決まります。
区分のボーダーラインにある場合は区分を上げることで株価を下げることも可能です。

 

③見た目の利益を下げる

類似業種比準価額は配当、利益、純資産を同業と比較しながら計算しますが、最も比重が高いのが利益です。
利益は3倍した上で配当や純資産と合わせて平均を取ります
したがって利益を下げれば株価は下がります。
かといってわざと業績を下げるのは理屈としておかしいので、臨時的な経費があった時が狙い目です。
例えば役員退職金の支払いなど臨時的な経費で赤字になった場合は株を動かすチャンスです。
また高収益の部門を分社するというのも方法としてありますが、株価だけでなくグループ全体を考えて判断する必要があります。

 

細かい点も含めて株価を下げる工夫はいろいろあります。
株価を下げてタイミングを逃さず贈与していくのが事業承継対策として有効です。