不定期連載 関根稔先生の「税理士のための百箇条」を読み解きます。
第34条 予防法学
税理士であり弁護士でもある関根先生ですが、「弁護士の登場は最大のリスクであり、失敗事例なのだ」とおっしゃいます。
確かに、そもそも弁護士に依頼するような事態に陥らないことが重要です。
金融などの分野には「リスクヘッジ」という言葉がありますが、法律分野におけるリスクヘッジが「予防法学」です。
起こり得るトラブルを想定し、権利義務を明らかにしたうえで契約書を作成しておけば、裁判所のお世話になることはないでしょう。
関根先生曰く、「交渉では『ありがとうございます』『よろしくお願いします』の二言以外は話さないことが肝要」だそうです。
内容証明を送りつけられたら、受けて立つしかありませんが、菓子折りを持って「お願いします」と来られたら、応じてあげたくなるのが人情です。
ただ、弁護士が予防法学の重要性を訴えると、歯医者さんが歯磨きの重要性を訴えるのと同様に、自らの売上を減らすことになるんじゃなかろうか、なんて心配をしてみたり。