土地評価シリーズ最終回は「利用価値の著しく低下している宅地」です。
抽象的な表現ですが、これまで説明してきた規則性のあるルールではなくいろんな個別事情で時価が下がっているものの評価方法です。
減額幅は10%ですのでなかなか侮れない割合です。
例えばこんなケースがあります。
①段差が大きい。
②震動、騒音、臭いがすごい。
③墓地の横。
例として3つ挙げましたがあくまで例示なので、売ろうとしたときに値段が下がる事情は10%減できる可能性があります。
ただしこれらの事情が路線価に織り込み済みである場合は減額はできません。例えば線路横の土地であれば震動や騒音を見込んですでに周辺の似た道路より路線価が下がっていることがあります。
実際にはそこまで織り込んでいる例は少ないです。というのも路線価は航空写真を元に現況を把握するので土地の詳しい状況は分からないためです。
それだけに土地を評価する際は図面だけでなく現地を見ることが重要になります。
現地に行くと土地のことだけでなく道路のことも分かります。道路へのはみ出しで道が狭くなっている、道にポールが立っていて行き止まり、土地を道に提供している、というようなことがあれば土地の評価にも影響します。
試験問題と違い、同じ土地は2つとないので現地をしっかり見て個別事情を考慮していくことで適正な評価へ近づけることができます。