不定期連載 関根稔先生の「税理士のための百箇条」を読み解きます。
第76条 税務職員の隣に座れ
税務調査の立会いというのはなかなかしんどい仕事です。
その場ですぐさま言い訳を考える反射神経の良さが問われます。
著者の関根先生は弁護士でもあるので、
「税法は、民法や会社法に比較し、格段に完成度が高い」
「検察官や裁判官に比較し、格段に丁寧な対応をしてくれるのが税務職員」
「税法の完成度は高く、それを運用する税務職員は真面目で誠実。調査立会いの何がそんなに嫌なのか」
と述べられています。
まあ、それはそうなんですけどね。
でも、税務職員だって人間ですから(もちろん税理士だって人間ですから)いろんな人がおるんですよ。
そんな訳で暴露ネタを。
その1 人の話を聞かない調査官
調査官 「これはダメですねえ。課税取引ですよ」
わし 「いや、通達にはこの場合は非課税とかいてありますよ」
調査官 「そんな通達はありません」
~しょうがないので通達のコピーを事務所からFAXしてもらう。
わし 「事務所からFAXしてもらいました。やっぱり非課税って書いてありますよ」
調査官 「先生もいろいろ言い訳考えなアカンから大変ですなあ」
~と言いながら、FAXを読まずに丸めて捨てる調査官。
こちらの話を全く聞かず、しまいには自分で修正税額を計算し始める、かなり自分勝手な人でした。
その2 税理士としては助かるけど、納税者としてはちょっと嫌な調査官
~帳簿をチェックしている最中に調査官の携帯が鳴る。どうやら上司と思しき人から。
調査官 「はい、○○です。はい、はい、いや今日は1日かかりそうなので無理です。すいません。」
~そんなこと言いながら、
「それではこれで調査終了です。ありがとうございました」 と、お昼前に帰って行った調査官。
修正もなくすんなり終わったので、楽と言えば楽でした。
でも「あいつこれからどこ遊びに行く気なんや、税金ドロボー!」と、お客さんは怒ってました。