人気者にはあやかろうということでドラマ『半沢直樹』でネタ探し。
”出向”の税務を取り上げます。
ドラマでは近藤君が東京中央銀行からタミヤ電機に出向しています。 これはどういう状態かというと出向元(東京中央銀行)に社員としての籍を残しつつ、出向先(タミヤ電機)の指揮命令により働いている状態です。 見た目はタミヤ電機の社員のようですが、籍は東京中央銀行にあるので、根室に飛ばすなんていう人事権も通常、出向元である銀行にあります。
税務上問題になるのは出向元と出向先の負担額が違う場合です。 近藤君が東京中央銀行で年収1000万円もらっていたとします。 タミヤ電機は伊藤君の人件費として1000万円負担すれば特に問題はありませんが、差がつく場合があります。 タミヤ電機は経理部長の給料として700万円しか出さないとすると東京中央銀行が300万円援助(寄附)したことになるのでしょうか。
この差額に合理性があれば寄附という問題にはなりません。
メガバンクの東京中央銀行と中堅企業のタミヤ電機では給与水準が違うので合理性があると考えられます。
第三者間では寄附というのは通常考えられませんが、親子会社間の出向であれば利益調整と言われる可能性があるので差額補てんには合理的な根拠が必要です。