『統計学が最強の学問である』 ③野村ID野球

posted by 2013.06.5

 

野球

”最強”の学問である統計学の事例の続きです。

今日のテーマはセイバーメトリクス。コアな野球ファンならご存知かもしれませんが、簡単にいうと「野村ID野球」です。かえって分からんか…。一言でいうと統計学的に野球を分析しようとする試みのことです。アスレチックスのビリー・ビーンGMは、このセイバーメトリクスを活用することで、貧乏球団アスレチックスを常勝チームへと変貌させました。

ビーンGMは、野球を「27個アウトを取られるまで終わらない競技」と定義しました。つまり、野手についてはアウトにならないこと、投手についてはアウトを取ること、これが勝つために最も重要な条件だと考えたのです。具体的な指標でいうと、野手では「出塁率」を、投手では「奪三振」を、それぞれ重視しました。

野手に関しては、犠打は重視されません。アウトを献上するだけだからです。また、盗塁も重視されません。塁上に留まって長打を待つ方が得点確率が高いことが分かったからです。また投手に関しては、勝利(セーブ)数や防御率は重視されません。守備の乱れなどに影響されるので、純粋にアウトを取る能力が反映されないからです。

本塁打や打点、勝利数という、従来重視されていた指標を無視したため、アスレチックスは安い年俸でチーム編成を行うことが可能となり、しかも常勝チームへと生まれ変わりました。

カープも頑張れ! 
(つづく)