『統計学が最強の学問である』 ④ナイチンゲール

posted by 2013.06.6

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”最強”の学問である統計学の事例の続きです。

今日はナイチンゲールです。
クリミア戦争に従軍した看護婦であり、看護教育の母と呼ばれていることは有名ですが、Wikiでナイチンゲールの項目を見てみると、”統計学者”という肩書もついています。イギリスではナイチンゲールを統計学の祖としているそうです。

では、ナイチンゲールの統計学的な功績は何か。それは、野戦病院での兵士の死因を集計することで、戦闘による負傷よりも、負傷後の感染症による死者の方が圧倒的に多いことを明らかにしたことです。

当時の野戦病院というのは極めて不衛生であり、縦割り行政の弊害で物資も不足しており、負傷兵は悲惨な状況にありました。ナイチンゲールが赴任したスクタリ病院では、負傷兵の死亡率は42%にも上りましたが、彼女の提言に従って病院内を清潔に保つようにしたところ、死亡率は5%にまで改善されました。

ちなみに、ナイチンゲールの改革は医療現場のみならず、イギリス陸軍全体の組織改革にまでおよび、彼女の自宅兼事務所は”小陸軍省”と呼ばれていたそうです。
(つづく)