ライフスタイルの多様化でしょうか、夫婦別姓を望む方たちの間で、婚姻届を出さない「事実婚」が増えているそうです。ただ法律的な手続きを踏んでいない以上、法律の保護を受けられないケースがありますので、注意が必要です。
まず社会保険ですが、こちらは婚姻届という手続きよりも実態を重視します。健康保険法や厚生年金法では、配偶者の定義として「届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む」とあります。「夫婦としての共同生活を営んでいる」と認定されれば夫婦として扱われます。
ところが税制では「婚姻届という手続きを踏んでいない以上、夫婦ではない」という考え方をします。実態などは一切考慮されません。所得税、相続税、贈与税など、個人が課税される税金には必ず配偶者に係る優遇措置がありますが、事実婚ではこれらの優遇を受けることは出来ません。
ちなみに相続に関していえば、配偶者ではないのでそもそも相続する権利がありません。
事実婚に関しては「やさしい社会保険、厳しい税金」と覚えておきましょう。