贈与税の第1回目は「非課税」です。
「110万円のやつ」ではありません。
110万円は贈与税がかからない枠であって、今回取り上げる非課税はそもそも贈与税の対象にならないものです。
したがって基本的には税金の心配なく渡せます。
<生活費等>
・扶養義務者相互間で支払う生活費や教育費
夫婦、親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で通常必要と認められるもの。
これは必要な都度払うことを想定しており、生活費の名目でも、まとめてもらった場合や株式等に変えて運用したり、不動産等を購入した場合には贈与にあたります。
<常識的なもの>
・慶弔関係
香典、中元歳暮、祝いやお見舞いなどで社会通念上相当と認められるもの
・債務免除
債務者が資力を喪失している状態で、債務免除や代わりに弁済してもらった場合。
これは明らかに払えない人への贈与に課税しては債務免除等の意味がなくなるためです。
<公益性>
・公益目的に使われるもの
宗教、慈善、学術等を行なう者が取得した財産で、公益目的で使われることが確実なもの。
公益の要件は厳格であるため、宗教、慈善、学術等をしていればさえいいというものではありません。
<福祉>
・障害者の方への信託受益権
特別障害者扶養信託契約に基づく信託受益権は6000万円(特別障害者以外は3000万円)までは非課税です。
<贈与税は非課税でも他の税金がかかるもの>
・法人からの贈与
一時所得として所得税がかかります。
50万円以下であれば控除があるため無税です。
・亡くなった年に受けた贈与
亡くなる直前の贈与は相続税に含めて計算するので贈与税はかかりません。
なお相続人以外の方への贈与、また相続人でも何も相続しなかった人への贈与は贈与税で完結するので節税効果はあります。
最もよく出てくるのは1つ目の生活費・教育費でしょう。
家族は助け合うのが当然なので、その都度必要なものを渡すことに関しては贈与税の対象にはなりません。
これは大学の学費など高額になる場合でも同じです。
次回は基礎控除を見ていきます。