昨日の続きで遺留分減殺請求について見ていきます。
遺留分減殺請求とは民法で守られた相続人の取り分(遺留分)を取り返すための手続きです。
誰から取り返すかというと人の遺留分まで削ってもらいすぎている人からです。
<誰ができる?>
法定相続人ができますが、兄弟姉妹には遺留分はありません。
したがって配偶者、子ども、子どもがいない場合の直系尊属(父母・祖父母)が減殺請求できます。
兄弟姉妹は子どもも直系尊属もいない場合に法定相続人にはなりますが、遺留分はありません。
これは相続することについて偶然性が高く、あてにもしてないはずだから法的にそこまで守る必要はない、という理屈だと思われます。
<いつまでに?>
遺留分の侵害を知った日から1年以内に請求しないといけません。
また亡くなってから10年経つと知った知らないを問わず請求する権利を失います。
このあたりは消滅時効と除斥期間の話になり複雑なので、まずは”1年以内ににアクション”と覚えておきましょう。
<手続きの流れ>
法律上は特定の方法はありませんが、次のような流れをとるのが一般的です。
① 通知(証拠が残るよう内容証明郵便にて)
② 交渉(本人または代理人弁護士を通じて)
③ 調停(家庭裁判所)
④ 裁判(いきなり裁判も可能ですが原則はまず③調停から)
どの段階にしろ話がまとまれば公証役場において公正証書を作成して証拠として残します。
なおそもそもの話になりますが遺留分減殺請求の手続きは遺留分が侵害されて初めて実行できます。
遺言において法定相続分の半分をしっかりもらっていれば請求はできません。
したがって財産の全体像をつかんだ上で遺留分を侵害しないような配分を考えて遺言を作成しておけば”争族”を避ける有力なツールになります。