類似業種比準価額

posted by 2015.07.16

 7/15に類似業種比準価額の4月までの株価表が公表されています。
「類似業種比準価額」というのは相続や贈与の際の株価の計算方法です。

 上場している株については毎日市場で株価が決まりますが、非上場株式については客観的な株価は公表されていません。
そこで自社の正味財産をベースにした「純資産価額」上場企業平均の「類似業種比準価額」をミックスして株価を計算します。
ミックスの割合については会社の規模等で異なり、小規模であるほど純資産価額の比重が高く大規模になるほど類似業種の比重が高くなります。

 類似業種比準価額の株価表は業種ごとに月単位で表示されます。
月単位になっているのは相続や贈与の時期によって採用する月が異なるためです。
今回は平成27年4月分まで公表されたので4月までの相続や贈与については株価を計算することができます

 ではこの類似業種比準価額をどう使えばいいのか。
相続については時期を選ぶことはできませんが贈与は時期を選ぶことができます
類似業種比準価額は上場企業の平均ですので上場企業の業績が良くなればそれに釣られて上昇します。
その意味では景気が悪い時期の方が贈与で株の名義を移すチャンスと言えます。
また個々の企業の正味資産である純資産価額については特別損失があった場合などに株価が下がるのでその時期が株の名義を移すチャンスです。

 株の名義については会社を作った時のまま、という無頓着な会社も時々見かけますが、事業承継や相続対策を考慮してシミュレーションしておき、タイミングを見計らって贈与していくのが有効です。