退職金の勘違い

posted by 2015.06.2

 昨日に引き続き退職金特集。
今日はよくある勘違いについて見ていきます。

① 確定申告は必要ない

確かに退職金を受け取った段階では会社で税額が天引きされていて、しかも分離課税なので課税関係が終了します。
そのため確定申告を絶対しないといけないわけではないですが、すれば得することはあります。

例えば年の始めに退職して扶養控除などの所得控除が使い切れていない場合
分離課税といえども所得控除はできますので、控除の余りがあれば確定申告することで退職金から控除できます

もう1つはレアケースですが退職金から20%天引きされている場合
退職金を受け取る際には会社に「退職金の受給に関する申告書」を提出します。
これは「他社で退職金をもらってないので安くなる特例が使えます」ということを会社に伝える書類なのですが、提出がないと会社としては20%天引きしないといけないルールになっています。
普通は2割も引かれたら困るので提出するとは思いますが。

 

② 退職給与規程がないと退職金は経費にならない

もちろん福利厚生及び会社運営上規定はある方が望ましいですが、無いからと言って退職金を出せないわけでも経費にできないわけでもありません

税務上は退職を機に出されたものは広い意味で退職金と考えます。
例えばこんなものも退職金として扱います。

<解雇予告手当>
 
1ヶ月前に予告しないで解雇する場合に支払う手当

<国が支払う倒産時の未払賃金>

倒産処理は時間がかかるため、優先されるべき未払賃金は国が立て替えて先に払ってくれます。

 

③ 退職金をもらうと健康保険が上がる

国民健康保険は前年の所得を元に計算されますが、退職金は所得に含まれません
同じ分離課税でも不動産等の譲渡所得や株式の譲渡所得は健康保険に影響するので、健康保険においても退職金は優遇されています。