退職金は税金が安いのですがどれぐらい違うもんでしょうか。
安くなる仕組みは次の3つ。
① 退職所得控除
② 1/2課税
③ 分離課税
順に見ていきます。
① 退職所得控除
勤続期間によって控除額が決まっています。
1年あたり40万円で20年超は1年当たり70万円です。
例えば勤続30年であれば「40万円✕20年+70万円✕10年=1500万円」となります。
勤続期間に1年未満の端数があれば1年に切り上げます。
また最低額が80万円と決まっているので1年未満でも80万円は引けます。
② 1/2課税
退職金への税金の計算式は次にようになっています。
<所得税> (退職金-退職所得控除)✕1/2✕所得税率(5~45%)
<住民税> (退職金-退職所得控除)✕1/2✕住民税率(10%)
所得税も住民税も税金をかける前に1/2を掛けているので税率は最高でも27.5%までです。
なお勤続期間が5年以下の役員にはこの1/2の規定はありません。
③ 分離課税
退職金は給料や年金など他の所得とは別に税金を計算します。
所得税は所得が高いほど税率が加速度的に上がる累進課税ですので分離すると低い税率が使えます。
これらの3つの仕組みにより税金はかなり安くなります。
次回は退職金のよくある質問や勘違いについて見ていきます。