遺言の作り方

posted by 2014.11.13

 新聞や雑誌の記事などにより、来年から相続税が大幅に上がる、ということはかなり認知されているように思います。
ただし”遺言”に関しては「うちは仲がいいから大丈夫」「作るほど財産ないし」といった感じであまり認知されていないのかも知れません。

そこで遺言の種類や作り方について改めて見ていきたいと思います。
主なものは次の3つです。

① 公正証書遺言
② 秘密証書遺言
③ 自筆証書遺言

 

① 公正証書遺言

<概要>

公証役場で公証人や証人立会いのもと作成。自宅に出張もしてくれる。
文書は公証人が作ってくれるので本人は内容を確認してサインするだけ。

<メリット>

遺産分割協議書がなくても即座に不動産の登記や預金の名義変更ができる。
・公証役場で120歳まで原本を保管してくれるので失くしても大丈夫。

<デメリット>

・手間と費用(20万円程度)が少しかかる。

 

② 秘密証書遺言

<概要>

・内容を秘密にしたまま、公証人に存在だけを証明してもらう。

<メリット>

・費用が安い。

<デメリット>

・公証人は中身を確認しないので法的に無効な遺言になる可能性ある。
・公証役場は存在を証明してくれるだけで原本は自分で保管しないといけない。
・遺言だけでは登記できず、実行する際に裁判所の検認が必要。
 検認には相続人の戸籍等が必要で、検認後に相続人に内容も通知される。 

 

③ 自筆証書遺言

<概要>

・自分で手で書いて、自分で保管する遺言。
 弁護士や税理士に預けているケースもあり。

<メリット>

・いつでも作れて費用もかからない。
・遺言があること自体を秘密にできる。

<デメリット>

・必ず自筆でないといけない。
・公証人が確認するわけではないので法的に無効なものになる可能性ある。
・自分で保管するので紛失リスクある。改ざんのリスクもある。
・秘密証書遺言と同様、相続発生時に裁判所の検認必要。

 

 ②③は法的に有効なものになっていない可能性があること、紛失の可能性があることから、①公正証書遺言をお薦めすることが多いです。
作るときも意外に簡単ですし、相続後の手続きもスムーズです。

ではそもそも遺言があるかどうかはどうすれば分かるのでしょう。

明日へ続きます。