先日、2015年から領収書の電子保存の要件を緩和するという報道がありました。
年間3000億円に及ぶ書類の保管コストはゼロになれば、法人税を0.6%下げるのと同様の効果があるようです。
今までにも電子保存の制度はありましたが、要件が厳しく使いにくいため、承認は100件前後しかありませんでした。
コスト削減及び環境面からも使いやすい制度への衣替えが期待されますが、まず現行制度をおさらいしておきます。
① 対象書類
・相手から受け取った領収書、請求書、納品書、見積書、契約書など。
・自社で作成したこれらの書類の写しなど。
② 対象外の書類
・在庫表など決算関係書類
・3万円以上の領収書及び契約書
③ 要件
・入力期間の制限(内容に応じて1週間または1ヶ月以内の入力)
・電子署名及びタイムスタンプ(認定事業者がサービス提供)
・ディスプレイやプリンタの設置
・検索機能の確保
・税務署へ開始3か月前に申請 など細かく定められています。
一番のネックは、3万円以上の領収書等が対象外になっている点で、選別する手間を考えると紙で保管する方が楽でした。
改正で3万円の壁がなくなれば、あとは使いやすく、それでいて悪用を防げるかという点がポイントになってきます。
現実は先を行っていて、請求書などは紙で発行せずメールに添付するだけ、という会社もあります。
実務に即した制度となるよう、今後の改正が注目されます。