昨日は役員や従業員にお金を貸した時の金利を見ていきましたが、今日はその逆。
会社が役員や従業員からお金を借りた場合の適正金利を見ていきます。
会社の資金繰りが悪化した、臨時的に会社でお金に必要になった場合などに銀行で借りずに役員から借りることはよくあります。
この借入に関しては無利息で行なわれている場合がほとんどですが、特に問題とされていません。
その理由は「個人は経済合理性だけで行動するものではない」という考え方です。
親戚にお金を貸すのに必ずしも金利をもらうかというとそうではなく助けるためには金利分損してもいいと考えるのが普通の個人です。
会社にお金を貸すのは自分が経営する会社を助けるためであって金利の損得だけではありません。
というわけで役員が会社にお金を貸す時は無利息で問題ありません。
ただし例外があります。
有名な平和事件です。
これは会社が役員から3500億円近くのお金を借りて、株の節税を実行した事例で、最終的には国が勝訴し個人の利息が認定されました。
何が問題だったかというと取引の流れが不自然であったことと3500億円という金額です。
したがって常識的な金額であれば利息を認定されることはありません。
もちろん利息を払ってもらっても結構です。
この場合の金利は役員等に貸した場合と同様、会社の外部からの調達金利を参考に決定するのが原則です。
金利が高すぎれば役員は得をするので「役員への給与」、安すぎれば会社が得をするので「役員からの寄附」として課税されます。
なお金利を受け取った役員は確定申告をする必要があり、税金も給料でもらう場合に比べると所得税負担は重くなります。
手間と税負担のこともあり無利息にしてるケースが多いです。