タダはまずい

posted by 2014.03.18

”使用貸借”(しようたいしゃく)という言葉をご存知でしょうか。

借主が無償で使用及び収益をした後に返還をすることを約して貸主からある物を受け取ることを内容とする契約、を言います。
端的に言うと、「ただで使うこと」です。

他人同士なら「タダ」ということは普通ありませんが身内ならあり得ます。
自分の持っている空き家に親戚を住ませてあげて、家賃をもらっていなければ”使用貸借”です。
家賃をもらう”賃貸借”と相続評価の上で何が違うかというと、借地権や借家権を引けないため評価が高くなります
ただで借りてるだけに返す時もすんなり返すので拘束されてるとは言えず、評価が高くなります。

相続で困るのがこんなケース

① 建物使用者:第3者
② 建物所有者:子
③ 土地所有者:親

①→② 家賃支払い ∴建物から借家権30%控除
②→③ 地代ゼロ  ∴使用貸借なので土地は更地評価で控除ゼロ

土地は借地であれば60%控除、貸家建付地(土地と建物を同一人が所有)でも約20%控除なので100%とは大きな差になります。

昔からの慣習で使用貸借になっているところは所有者の変更や契約の変更を通じて評価を下げる検討をしましょう。