不定期連載 関根稔先生の「税理士のための百箇条」を読み解きます。
第8条 予備プランと冗長性の確保
裁判などでは「予備的主張」というものが行われます。
第1の主張が認められないときは第2の主張をする。それも認められなければ第3の主張。こんな感じで2段、3段の構えをしておくと安心です。
関根先生は国税局へ12個の予備的主張をしたことがあるそうで、「いくつの予備プランを構築できるか」が、専門家としての能力だと述べておられます。
1個だけの主張を抱えて突撃し、認められなければ即沈没、という交渉は「単なる博打でしか ない」と。
そういえば、どこかのえらい科学者のエッセイで「優秀な科学者の条件」という話があって、「アイデアというのは100個のうち1個が成功すれば万々歳だ。大切なのは、アイデアを100個思い付くこと。それが優秀な科学者の条件である。」と書いていました。
どこの業界も、柔軟な発想が出来る人は重宝されるんでしょうね。
予備プランに次いで大切なのが「冗長性の確保である」と。
電気の配線で例えると、12ボルトの電圧を使うのなら20ボルトの電圧に耐え得る配線にしておかなければならない、というのが「冗長性の確保」ですが、これは税務の世界でも一緒だそうです。
申請書の提出期限が2カ月以内なら、1カ月以内に申請すべし。
そうすれば、つまらんミスで再提出させられても時間は残っている。
申請書の郵送で、期限内に税務署到達なのか、消印が期限内であればいいのか、そんなことを調べているヒマがあったら今すぐ税務署に持って行くべし。
誠におっしゃる通りです。