昨日の続きで”出向”と”派遣”の違いについて見ていきます。
出向と派遣は見た目がよく似ています。
今回も親子会社を例に説明します。
指揮命令権はどちらも子会社(出向先)にあります。
労働契約は派遣が親会社(出向元)のみにあるのに対し、出向は両方に分かれます。 具体的には解雇や退職などの人事権は親会社に残しつつ、日々の決まり事は子会社のものに従います。
出向に該当する判断基準としては次のようなものがあります。
①子会社が指揮命令権を有している。
②子会社が給料の全部または一部を支払っている。
③子会社の就業規則が適用される。
④子会社が独自に労働条件を変更することがある。
⑤子会社において社会保険・労働保険に加入している。
これらの点を総合的に考慮して、出向か派遣かの判断をおこないます。
税金の世界で言うと大きな違いは消費税と利益です。
<消費税>
出向:給与の負担金であるため、消費税は不課税。
派遣:外注費に近いので消費税は課税。
<利益>
出向:給与の負担金なので原則給与と同額。
派遣:外注費なので親会社は利益を乗せる。
消費税が引けるということを考えると、派遣が得(支払う消費税が減る)なように思いますが、コトはそう簡単ではありません。 まず派遣事業を行うのに許可が必要で、そもそも派遣が認められていない職業(例:税理士)もあります。
違法派遣に該当すると派遣元及び派遣先の両方が罰せられるので注意が必要です。