昨日の続きで、貸し方によって土地がどう安くなるか見ていきます。
大きく分けると5種類。
①自用地
②貸宅地(建物あり)
③貸地(建物なし)
④貸家建付地
⑤定期借地権の底地
順に見ていきます。
①自用地:評価-0%
自分で使っている土地なので好きに使い方を変えられます。
例えば自宅敷地、自営業の敷地、更地などです。
拘束度が0なので評価の上でも”-0%”です。
②貸宅地(建物あり):評価-60%
土地を貸して、借りた人が建物を建てている状態です。
借主の権利(借地権)は借地借家法で守られており、かなり強力です。
そのため借地権として30%~90%が引けます。
通常は60%の地域が多いので評価”ー60%”としています。
地主が自由に使おうと思えば高額な立退料が必要です。
また借地権は相続も可能なので、一度貸すとずっと貸し続けることになります。
③貸地(建物なし):評価-0%
建物なしで土地を貸す状態、例えば駐車場です。
②のように強い権利ではないので、借地権は引けず、評価は”-0%”です。
④貸家建付地:評価-18%
地主が自分で建物を建てて人に貸している状態です。
アパート、マンション、テナントビルなどいろんな形態がありますが評価はどれも同じです。
評価減は「借地権割合×借家権割合」で計算され、60%×30%=18%という地域が一般的です。
⑤定期借地権の底地:評価-20%
これは③と④のデメリットを解消するためにできた制度です。
③の貸宅地は事実上永遠に拘束されてしまいます。
④の貸家建付地は地主が自分で建てるので投資額が膨らみます。
そこで③の借地権を期間限定にして、契約期間が終了すれば必ず立退料なしで土地を返すという制度ができました。
計算方法はかなり複雑ですが、一般的な店舗で使われる事業用定期借地権の場合、評価は最大”-20%”です。
契約の残存期間に応じて20%から5%に向けて減額幅は縮小します。
土地を貸すことにより土地の評価は20%から60%安くなりますが、それぞれの制度に一長一短があります。
評価の高い安いではなく長期的な使用計画、収益性などで判断するのが原則です。