平成31年度税制改正大綱 ③ 消費税増税対策

posted by 2018.12.19

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 昨日の続きで税制改正大綱の消費税増税対策について見ていきます。

 

(2)軽減税率の実施

 軽減税率自体は平成28年度税制改正大綱に出ていた話で、内容もその時から基本的には変わっていません。
ところが実際に実施される来年10月を目の前にして混乱しているところがあるので改めて触れています。なので大綱の後ろをめくっても軽減税率に関する記述はありません。

 冒頭に書いてあることは次のような内容です。

・Q&Aの追加や個別の相談対応などによる周知徹底。

・レジ導入等への支援を行なうことで準備を促す。

・制度の円滑な実施に向けて万全を期す。

・書籍、雑誌等について引き続き検討する。

 最後の1項目の意図はよく分かりませんが、今さら軽減税率の対象を絞るとは考えにくいので、分かりやすくする前提で対象を広げるのかも知れません。詳細が出てきたらまた取り上げます。

 なお軽減税率の財源について、去年決まった高額所得者の増税、たばこ税値上げ、消費税のインボイス制度導入によってひねり出すことが改めて書かれています。

 

(3)医療に係る措置

 これは消費税増税とは直接は関係ありませんが、かねてから言われてきた医療と消費税の問題に関して調整を図るものです。

 社会保険診療報酬は消費税が非課税であるため、設備の導入時の消費税が控除できません。そこで診療報酬を増やすことで対応してきましたが、それでは足りず、医療業界は消費税で損をしている、という声が上がっていました。
社保診療を課税売上げにすれば消費税上の問題は解決しますが、福祉的にはできません。

 そこで消費税10%引上げを機に、消費税相当の社保診療への配点をより精緻化することで対応します。
具体的には実際の設備投資や補填状況を継続的に調査して配点方法の見直しを行ないます。

 

 次回からは税目ごとの個別の項目について見ていきます。