平成31年度税制改正大綱 ② 消費税増税対策

posted by 2018.12.18

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 今年の税制改正大綱のメインは消費税増税対策です。

目的は景気対策ですが意味合いとしてはいくつかあります。

(1)需要変動の平準化

(2)軽減税率の実施

(3)医療に係る措置

 

(1)需要変動の平準化

・住宅ローン控除の拡大

前回5%から8%に引き上げられた際に駆け込み需要とその反動減で景気が悪化したため、増税後に買いたくなるような措置を設けています。

住宅ローン控除に関しては現行制度に『おまけ』がつきます。
10%の消費税を払って住宅を購入した場合には、10年の住宅ローン控除が終わったあとに建物価格の2%が11年目以降3年にわたって還元されます。
この2%というのは建物に含まれる増税分の消費税です。

 

・自動車税の引き下げ

平成31年10月1日以降に新車登録した自家用乗用車に関する自動車税が年1000~4500円引き下げられます。
あくまで増税後の登録車が対象なので今乗っている車や軽自動車は対象外です。

また自動車税のうち環境性能割について1年限定で1~3%の税率が1%ずつ引き下げられ、0~2%になります。
環境性能割というのは聞き慣れない名前ですが、それもそのはず平成31年10月1日に導入される税金です。

なおこれらの自動車税減税の財源を確保するため、エコカー減税の対象は縮小されます。

 

・価格設定の柔軟化

前回改正時は「3%分値引き」などの宣伝文句や便乗値上げが厳しく規制されたため、商売しにくくなり景気悪化の要因にもなりました。

そこでも今回は少し緩和され、「10%」「10月から」と言った表現が使えるようになります。
ただし「消費税還元セール」「消費税はいただきません」というような消費税名指しの表現は前回同様禁止です。

便乗値上げに関しては、消費税以外にも原材料費高騰などの要因があれば可能となりました。

欧米では消費税が上がったからと言って全ての会社が一斉に増税分を値上げするわけではなく自由に価格設定しています。
そのことから欧米では駆け込み需要自体がほとんど発生せず、日本より頻繁に消費税を上げているのでそれに倣おうという目的があります。

 

 長くなったので(2)(3)は次回に続きます。