金融検査マニュアル・別冊③

posted by 2013.04.17

前置きに2回かかりましたが、この金融検査マニュアル、本来の目的は金融機関の経営状態をチェックすることです。
よって本編の方は「ちゃんとやっているか」という詰問調ですが、別冊の方はちょっと趣が異なります。 
”中小企業融資編”とあるように、中小企業への貸出しに関する注意点をまとめており、そこでのテーマは「大目にみてあげましょう」というハートフルなものです。

中小企業というのは経営基盤が弱い。経営が安定しない。すぐ赤字になる。
そんな特徴があるので、あんまり厳しいこというとすぐに「破綻懸念先」になってしまいます。これでは資金調達が出来ません。
そこで中小企業に関しては、財務状態だけではなく経営者の資質や技術力など、数字に表れない部分も積極的に評価してあげなさい、というのが金融庁のスタンスです。

この別冊の後半部分では28件の事例を挙げて、「こんな場合は正常先とみてよい」とか「破綻懸念先とまでは言えない」など具体的に説明しています。
融資を受けるには債務者区分が「正常先」「要注意先」でなければなりません。破綻懸念先」に転落しそうなときでも、「大目に見てもらえる」ポイントを知っておくと、銀行との融資交渉に使えそうです。
(つづく)