昨日の続きで消費税のインボイス方式について見ていきます。
<概要>
消費税は事業者が売上げで受け取った消費税から、仕入れや経費で支払った消費税を控除して、差額を国に納める税金です。
仕入れの際の消費税の計算は、税率が単一の時は逆算すればいいので話は簡単でした。ところが複数税率になってくると計算がややこしくなるので、請求書記載の消費税の集計だけで済むインボイス方式の方が簡単です。
そのため複数税率が多いEU諸国ではインボイス方式が採用されており、日本もそれに倣って導入することとなりました。
<登録制度>
インボイス方式では事業者の登録制度も導入されます。
これには次のような目的があります。
・不正計算の防止(架空請求書など)
・税務行政の効率化(登録番号での集計が容易)
・免税事業者減少による益税の減少(課税事業者にならないと取引から疎外される)
<請求書の記載内容の変化>
【請求書等保存方式】(現行制度)
① 書類作成者の氏名又は名称
② 取引年月日
③ 内容
④ 金額(税込)
⑤ 書類受領者の氏名又は名称
【区分記載請求書等保存方式】(2019年10月~)
インボイス方式導入までのつなぎとして軽減税率導入時から適用されます。
①~⑤は同じ
⑥ 軽減税率である場合はその旨
⑦ 税率ごとの合計金額
【適格請求書等保存方式】(2023年10月~)
いわゆるインボイス方式がこれです。
①~⑦は同じ
⑧ 登録番号
⑨ 税率ごとの消費税額及び適用税率
こうして見るとどんどん発行する事業者の手間が増えることが分かります。
また免税事業者に酷な制度であることから経過措置があるのですが、長くなったので次回へ続きます。