税務署による更正、決定処分などに不服があるときは、訴訟による司法救済を求める前に、まず行政上の救済を求めるという、不服申立前置主義が採用されています。これは、
① 租税の賦課徴収は毎期反復的大量的に行われること
② 税法が複雑多岐にわたり専門性が高いこと
③ 訴訟は当事者双方にとって費用・手間がかかること
などの理由により裁判所の負担を軽減するとともに納税者にとっても救済されやすいようにするための制度でもあります。
不服申立は2段階になっており、まず、税務署の処分に対して不服があるときに行うものが、異議申立です。これは処分から2月以内に当該処分をした税務署に対して行います。
これでも納得いかない時は、審査請求を行います。これは異議申立決定から1月以内に国税不服審判所に対して行います。これでもダメなら裁判となります。
さて不服申立の現況ですが、平成23年度の異議申立の処理件数4,511件。このうち何らかの形で納税者の主張が受け入れられたのは375件でその割合は8.3%となっています。
次の段階の審査請求の処理件数は2,967件。このうち何らかの形で納税者の主張が受け入れられたのは404件でその割合は13.6%となっています。
最後の段階の訴訟終結件数は国税に関するもので 380件。このうち国側敗訴は51件でその割合は13.4%になっています。