京都にも宿泊税

posted by 2017.09.15

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 東京、大阪で導入されている宿泊税京都でも来年10月にも導入されそうです。
東京、大阪との大きな違いは単価が安くても免税とならないところ。
東京、大阪は1泊1万円未満だと免税ですが、京都はすべてが対象です。

 

<東京>(税収23億円)

1万円未満  :免税
1~1.5万円:100円
1.5万円以上:200円

<大阪>(税収6~7億円)

1万円未満  :免税
1~1.5万円:100円
1.5~2万円:200円
2万円以上  :300円

<京都(案)>(税収45億円)

2万円未満:200円
2~5万円:500円
5万円以上:1000円
※修学旅行は免税

 

 東京、大阪は負担感があまりないよう広く薄く課税しようという発想ですが、京都はかなり踏み込んだ内容となっています。

 これは観光客の急激な増加に対して受け入れ環境の整備が追い付いておらず財政状況も厳しいことが背景にあります。

 京都を訪れる観光客は3年連続で5500万人を超えていて消費面での貢献は大きいものの、地元の方が市バスに乗れない、ゴミや騒音トラブル、多言語対応の遅れなどが問題となっています。

 そのための財源ですが京都は自治体として裕福な印象がありますが実際にはそうでもありません。
景観条例により建築が制限され固定資産税の税収が少ないことや学生人口が多く住民税収入が少ないことから観光向けに多くの財源を割けない状況です。

 京都の宿泊税は東京、大阪に比べると高い印象はありますが、同じく古都であるパリやローマでも1000円近いのでこれを目安にしているようです。
課題は高単価の施設ではなく、低単価の施設、特に民泊です。
民泊自体が京都では7割が無許可で営業されているだけにどう徴収するかが課題で、Airbnbなどの仲介サイトに源泉徴収してもらおうという案も出ています。

 

 北海道や金沢でも導入が検討されている宿泊税。
どう徴収するか、観光客と地元住民両方の納得をどう得るかなど各地に共通の課題はあるものの著名な観光地を中心に導入する自治体は広がっていきそうです。