アマゾンは消費税を払うのか ③最終回

posted by 2017.09.13

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 海外からのサービスに係る消費税改正の最終回は「国内事業者が消費者向けネットサービスを利用した場合の税額控除制限」と「その例外」です。

 

 国内事業者であってもアマゾンなどから電子書籍や音楽の配信を受けることも当然あります。
前回解説した通り、消費者向けネットサービスは従来通り、海外事業者が日本の税務署に申告・納税します。
海外事業者が課税売上げとして処理しているので受け手である国内事業者も課税仕入れとして消費税が控除できるはずです。

 しかし今回の改正で”当分の間”仕入税額控除を制限する、とされました。
わざわざ”当分の間”とつけているのは本来の理屈ではできるけれども、現状では海外事業者の消費税を確実に捕捉できないので、仕入れる国内事業者も諦めて下さい、ということだと思います。

 

 ただしこれもあんまりなので日本の国税庁に登録したマジメな海外事業者からの仕入れに関しては控除できることとされました。
ちゃんと登録さえしてくれれば申告納税されているか把握できるので課税もれがなくなります。

 登録国外事業者は平成29年6月29日現在75社あり、アドビ、アマゾン、グーグル、Airbnbなどお馴染みの企業も含まれています。
なおアマゾン1つとっても関連会社が何社も登録されているのでサービスを受けている正式な会社名で確認するようにしましょう。

 

 4回にわたって解説してきましたが正直すごくややこしいです。
本当はさらに経過措置の話もあるのですが混乱しそうなのでまた別の機会にします。

 消費税は所得税や法人税と違って税収が安定しているだけに今後の財政を考える上でも重要な税金です。
それだけに海外と条件を揃えて取りっぱぐれのないように、また国内においても広く薄く課税できるようにといった観点で今後も見直しはありそうです。