V字回復

posted by 2017.06.5

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 やむを得ず会社が赤字を出すとしても翌年にV字回復すれば銀行や取引先の印象も改善します。
特に投資家の印象を重視する上場企業においてその傾向があり、かつては日産やJALなどがV字回復を果たしています。

 

 ではV字回復はどのように達成されるのでしょうか。

 まずは社内での危機感の共有、売上の改善、大幅なコストカット等による翌年の営業黒字化が前提となります。
その上で赤字の年に次のような損失処理を積極的に行ない、”膿”を出し切ることでV字回復につながります。

 

・売掛金の貸し倒れ処理

売掛金や未収入金を洗い直して不良債権化したものを貸し倒れ処理します。
売上に関するものであれば消費税も返ってきます

 

・固定資産の損失処理

実際にはもうないものが固定資産台帳に残っているケースもあるのでチェックして除却損処理します。
使っていない遊休資産についても売却や有姿除却を検討します。
上場企業の場合は将来生む収益を予想して減損処理を行ないます。

 

・リース資産の見直し

リース資産は解約すると残存期間分のリース料が違約金としてかかってきますが、活用できていないものであれば解約して先に損を出してしまうこともあります。

 

・退職金の積立不足

上場企業の場合、将来の退職金を積立処理していますが、運用環境の悪化で積立不足が発生している場合があります。
これをまとめて損失処理することで翌年以降の経費負担が軽くなります。

 

 上記の項目を見てみるとV字回復と言っても何かを”演出”しているわけではなく、本来やるべきことを実行することによって”正常化”している状態と言えます。
まずはV字回復を狙わなくていいよう正常な経営をすることが基本となります。