平成29年度税制改正大綱 ①基本的考え方

posted by 2016.12.12

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 8日に発表された平成29年度税制改正大綱
企業活動や個人の生活にどのような影響があるのか内容を見ていきます。

 1回目は「基本的考え方」から。
ここには改正に関する大義名分が書いてありますので、全体として改正にどういう意図があるのか分かりますし、今後どう変わっていくかも読み取ることができます。

 まず景気を良くするには”一億総活躍社会”の実現が必要で、そのためには「働き方改革」「イノベーション」が両輪となる、と始まります。
「働き方改革」に向けて所得税見直しの第一弾として配偶者控除・配偶者特別控除の見直しを行なうことで多様な働き方を可能とします。
「イノベーション」については攻めの投資を後押しすることで収益が拡大し、雇用増加や賃金上昇につながり好循環が生まれる、と続きます。

 また地方へもアベノミクスの恩恵が波及するように中堅・中小企業向けの設備投資促進税制を創設するなど地方創生を推進します。

 このあと唐突に酒税の税負担の公平性の話や国際的な租税回避への対応の話をはさんで結びへ続きます。

 税制改正に関しては上記のような景気対策を考慮しならも中長期的には財政健全化が必要であり、2020年度の基礎的財政収支の黒字化は諦めていない。
そのためには消費税は平成31年10月1日から確実に10%に上げます
消費税引上げにあたっては低所得者に配慮するための軽減税率制度の準備に万全を期す、と結んでいます。

 アベノミクスに関連するキーワードを配して構造改革や景気対策を謳いつつ、最後に今回の改正に直接関係のない消費税引上げを念押しして締めています。
 
 なるほどごもっともな内容の中にも各方面の意図が分かるような前置きになっています。
次回からは具体的な内容に入っていきます。