減資と税金①

posted by 2016.04.4

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 資金調達や信用向上を目的に増資をすることがありますが、逆に資本金を減らす”減資”をすることもあります。
目的としては赤字補填の財源を作ることのほか、節税も大きいです。

 

 減資を考えるということはどちらかと言うと会社がしんどい時ですが特に次の2つが重荷です。

① 均等割が高い

大阪府・市の場合、1000万円以下なら7万円、1億円超なら42万円と6倍の差!
均等割は赤字でもかかるため、毎年これだけ差があるともったいないと感じてしまいます。

② 外形標準課税

資本金1億円超の場合、資本金、給料家賃、所得等に応じて外形標準課税として事業税が発生します。
所得メインではなく企業の”外形”的な活動に課税するため、赤字でもかかります

 

 減資すればこの2つが必ず軽減されるかと言うとそうとは限りません。
というのも減資は「形だけのもの」「実際にお金を出資者に返すもの」があるためです。
実際にお金を出資者に返す場合は、まさに減資であるため、①②とも減資の効果があります
しかし、しんどくて減資をする場合は出資者にお金を返す余裕がなく、資本金を資本準備金に振り替えるだけのこともあります。
ちょっとややこしいですが預かった”資本”の中で置き場が変わるだけで実態は大きく変わっていません。
 この場合、②の外形標準課税はなくなりますが、①の均等割は減りません
均等割は資本金だけでなく、資本準備金なども含めた「資本金等の額」で判断するためです。

というのが従来の規定だったのですが、アンバランスであるため平成27年度税制改正で見直しとなりました。
次回へ続きます。